益城中学校:2025年度1学期定期考査 理科 出題内容分析
益城中学校の2年生の皆さん、理科の1学期末テスト、お疲れ様でした。
今回のテストでは、物質の性質や化学変化について、実験操作とその結果、そしてその背景にある化学の原理を深く理解しているかが問われました。
単なる知識の暗記に留まらず、科学的な思考力と考察力が試される内容でしたね。
「さくらゼミナールましき校」では、皆さんのテスト結果から、益城中学校がどのような力を重視しているかを分析しています。
1. 物質の基本:原子、分子、化合物
テストの序盤では、化学の基礎となる概念が問われました。原子の性質として、「物質を構成する最小の粒子で、それ以上分けることができない」ことや、「なくなったり、新しくできたりしない」ことなどが正しい選択肢から問われています 。
また、原子の規則性をもとにつくった表(周期表)の名称 、水素(H)や銅(Cu)の元素記号 、水(H₂O)の化学式 、アンモニアの化学式(NH₃)を答える問題 、さらに「化合物とは何か」という定義を説明する問題 、具体的な物質の中から化合物をすべて選ぶ問題 が出題されました。
これは、化学を学ぶ上で最も基本的な用語と概念を正確に理解しているかを確認するものです。
2. 実験操作と化学変化の考察:実践的理解力
今回のテストで特に際立っていたのは、具体的な実験操作に関する問題が非常に多かった点です。
- 酸化銀の加熱実験:加熱前後の色の変化(黒色から白色) や、発生した気体(酸素)の性質を線香の火を近づける反応から判断する問題(線香の火が激しく燃える) 、さらにはこの化学変化を化学反応式で記述する能力(Ag₂O → Ag + O₂) 、そしてこの反応が「熱分解」という化学変化であることの理解が問われました 。
固体物質の性質(電流が流れやすい、光沢が出る、薄く伸びる)を問う問題も出されています 。 - 炭酸水素ナトリウムの加熱実験:試験管の口をやや下向きにする理由(水が試験管の先に集まりやすくするため) や、加熱を止める前にガラス管を石灰水から抜く操作とその理由(白灰水が逆流するのを防ぐため) といった、安全かつ正確な実験操作の知識が問われています。
さらに、生成した液体の性質を塩化コバルト紙で調べる問題(青色から桃色に変化する) や、加熱前後の物質(炭酸水素ナトリウムと加熱後の物質)の水への溶けやすさやアルカリ性の強さを比較する問題(加熱後の物質の方が溶けやすく、アルカリ性が強い) 、この化学変化を化学反応式で記述する問題(2NaHCO₃ → Na₂CO₃ + H₂O + CO₂) が出題されました。
ホットケーキやカルメ焼きが膨らむ理由を炭酸水素ナトリウムの化学変化と結びつけて説明する問題(加熱すると二酸化炭素が発生し、生地が膨らむ) は、日常生活と化学を結びつける応用力を試すものでした。 - 水の電気分解:物質に電流を流して分解することの名称(電気分解) 、水に少量の水酸化ナトリウムを加える理由(水に電流を流せるようにするため) 、発生した気体の体積比(陽極:陰極=1:2) 、陽極・陰極から発生した気体(酸素、水素)とその調べ方、そして化学変化を化学反応式で記述する能力(2H₂O → 2H₂ + O₂) が問われました。
- その他の化学変化:鉄粉と硫黄の混合物の加熱(生成物:硫化鉄、加熱停止後の反応継続理由:反応自体が熱を発生するため、磁石への反応:反応前は磁石に引き寄せられ、反応後は反応しない、発生する気体のにおい:腐卵臭、においをかぐ方法:手であおぐようにしてかぐ、化学反応式:Fe + S → FeS) 、酸化銅と炭の加熱(ゴム管を閉じる理由:空気と反応するのを防ぐため、生成物質:銅と二酸化炭素、化学変化の名称:還元と酸化、酸素との結びつきやすさ:炭素の方が銅より酸素と結びつきやすい、化学反応式:2CuO + C → 2Cu + CO₂、応用:小麦粉にも炭素が含まれる、さびの防止方法) 、マグネシウムリボンの燃焼(反応の名称:燃焼、生成物質:酸化マグネシウムと炭素、二酸化炭素中での燃焼継続理由) など、多様な化学変化に関する実験とその考察が出題されました。
今後の学習に向けて
今回の益城中学校の理科のテストは、化学の基礎知識はもちろんのこと、実験を通して得られた情報を正確に読み取り、そこから科学的な考察を行い、論理的に説明する力を重視していることがわかります。
さくらゼミナールましき校では、単に教科書の内容を暗記するだけでなく、各実験の「目的」「操作」「結果」「考察」をセットで理解する練習を促しています。
そして、「なぜこの操作が必要なのか」「なぜこのような結果になったのか」といった疑問を常に持ち、その理由を自分の言葉で説明できるようになることが、皆さんの科学的思考力を大きく伸ばす鍵となるでしょう。