益城中学校:2025年度1学期定期考査 社会 出題内容分析
益城中学校の2年生の皆さん、社会科の1学期末テスト、お疲れ様でした。
今回のテストでは、歴史上の出来事を単に覚えるだけでなく、その背景や影響、さらには異なる視点から考察する力が強く問われていたことに気づいた人もいるのではないでしょうか。
「さくらゼミナールましき校」では、皆さんのテスト結果から、益城中学校がどのような力を重視しているかを分析しています。
今回のテスト内容から、皆さんの歴史的思考力をさらに深めるためのヒントを探っていきましょう。
今回のテストは、主に中世末期から近世にかけての日本の歴史に焦点を当て、その国際関係や国内の政治・社会の変化を深く理解しているかが試される内容でした。
1. 世界と日本のつながり:大航海時代とキリスト教伝来
テストの冒頭では、ルネサンス 、ルターによる宗教改革 、ザビエルによるキリスト教伝来 、種子島への鉄砲伝来 といった、14世紀から16世紀にかけての重要な出来事とその年代が問われました。
これらの基本事項をしっかりと把握していることが、その後の時代理解の土台となります。
特に、ドイツでルターが始めた宗教改革を信仰する人々が「プロテスタント」と呼ばれたこと 、ポルトガル人やスペイン人との間で行われた「南蛮貿易」の名称 や、その貿易で日本が主に輸出した「銀」 といった具体的な内容、ザビエルなどの宣教師が東アジアなどでキリスト教を広める活動を行ったこと 、彼らを派遣したカトリック教会の組織(イエズス会) など、国際的な交流の側面から問われました。
また、コロンブスやマゼランといった大航海時代の重要人物とその航路 、ヨーロッパ各国が獲得した支配地である「植民地」という用語 、そしてアジアへの新航路を開いた目的の一つとして「商品の価格を安く手に入れたいから」 という経済的な動機を資料から読み取る問題が出題され、単に航路を覚えるだけでなく、その背後にある理由を理解しているかが問われました。
2. 天下統一から江戸幕府の成立へ:政策の意図と影響
織田信長や豊臣秀吉が行った政策については、長篠の戦いの様子を描いた資料からの読み取り 、織田信長が城下町に出した法令「楽市楽座」 、諸国の百姓から刀などを取り上げる「刀狩」の目的(不必要な武具をたくわえ、年貢を納めない者や一揆をくわだてる者を防ぐ) 、これらの政策によって成立した身分に応じた職業を行う社会 といった具体的な内容が出題されました。
さらに、豊臣秀吉がキリスト教を制限した「バテレン追放令」 や、城に「天守(天守閣)」が作られた理由として「支配者の富や権力を示すため」 という、政策の意図や影響を深く考える問題も出ました。
江戸時代についても、徳川氏と大名の関係(譜代大名) や、武家諸法度 、参勤交代の制度とその影響(大名に多大な費用がかかった) 、キリスト教禁止政策の理由(幕府の支配に抵抗することを恐れたため、神への信仰が幕府の考えに反していたため、侵略のきっかけになると考えたため) 、鎖国体制 といった重要政策が出題されました。
また、オランダの商館が置かれた人工島「出島」 や、幕府が風説書の提出を求めた理由(他国の情報を得るため) など、鎖国下の国際情勢を理解しているかが問われました。
3. 資料読解と論述力:多角的な視点
テスト全体を通して、地図、表、絵画、法令文といった多様な資料が提示され、それらを正確に読み取り、内容を理解した上で解答する問題が多かったです。
特に「自分の考えを書きなさい」という論述問題 は、知識を基盤とした考察力と表現力を試すものであり、今後の学習で伸ばしていくべき重要な力と言えます。
今後の学習に向けて
今回の益城中学校の社会科のテストは、歴史上の出来事を単に暗記するだけでなく、その背景にある「なぜ」を深く掘り下げ、資料から情報を読み取り、論理的に考察し、自分の言葉で表現する力を重視していることがわかります。
さくらゼミナールましき校では、日々の学習で教科書や資料集の図やグラフにも積極的に目を通し、それぞれの出来事がどのように繋がり、どのような結果を生んだのかを考える習慣をつけることを勧めています。
そうすることで、皆さんの歴史に対する理解は、より深く、多角的なものとなるでしょう。